第27章 お前、こっちへ来い

一行が会議室に入ると、守屋蒼河はすでに中の席に着いていた。

今日は濃紺のスーツをきっちり着こなし、髪も一分の乱れなく撫でつけている。口元の笑みも、いかにも「それらしい」完成度だ。

ただ――緊張しているのが、手に取るようにわかった。

古沢信弘の姿を認めた瞬間、守屋蒼河はぱっと立ち上がり、早足で駆け寄ってくる。

「古沢社長、はじめまして。かねてよりお噂は伺っております」

差し出された手。姿勢は低く、声には露骨なまでの媚びが滲む。

「若くしてご手腕を発揮されていると、ずっと――本日こうしてお目にかかれて光栄です」

古沢信弘は淡々と手を握り返しただけで、何も言わなかった。

守屋蒼河は...

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