第50章 私ってどういう人?

凱はたちまち目を輝かせた。

「それはもう、言うまでもないですよ。相馬さんってほんとに優しいんです。今朝だって出勤したとき、『疲れてませんか』って声をかけてくれて」

 古沢信弘は意外そうに振り向いた。

「いつの話だ。俺は聞いてないぞ」

「今朝ですよ」

 凱はへへっと笑う。

「社長のおそばで何年もやってきましたけど、ああやって気にかけてもらえたの、初めてでした」

 その言葉が終わるや否や、彼はぴたりと口をつぐんだ。

 古沢信弘の顔色が、みるみる沈んでいったからだ。頭上に黒雲でも垂れ込めたみたいに、ひどく険しい。

「しゃ、社長、そういう意味じゃなくて……」

 凱は慌てて取り繕う...

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