第65章 彼女は離婚したくない?

「相馬嬢が今日、守屋さんに裁判所の呼出状を送ったそうです」

助手の凱が声を潜めて言った。目の奥には、隠しきれない高揚がある。

「社長、どうご覧になります?」

古沢信弘はデスクに腰を下ろしたまま、コーヒーを片手に窓の外を眺めていた。凱の言葉など耳に入っていないかのように。

凱は首をかしげながら、古沢信弘の横顔をうかがう。

やがて古沢信弘はコーヒーを飲み干し、空になったカップを凱へ差し出してから、ようやく低い声で言った。

「俺が集めろと言った、守屋グループの違法行為の証拠はどうなった」

「全部そろってます」

凱はそれを口にしただけで、さらにテンションが上がった。

「社長、今すぐ...

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