第6章

下腹部に鋭い痛みが走り、思わず勢いよく立ち上がってしまった。私の動きはあまりに唐突で、藤原先生の講義を中断させてしまう。教室中の視線が一斉に私へと突き刺さり、頬が熱くなるのを感じた。

「鈴木、どうかしましたか?」

藤原先生は眉をひそめ、その目には苛立ちが滲んでいる。

「制服、血だらけじゃない!

」誰かが言った。

俯くと、青葉学園の深い藍色の制服スカートの後ろ側に、真っ赤な血の染みが大きく広がっていた。画鋲で刺された傷口から絶えず血が滲み出し、私の制服を濡らしている。

教室は途端に息を呑む音とひそひそ話に包まれた。

藤堂心乃がさっと席を立ち、見せかけの心配を顔に貼り付...

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