第一百零四章 深夜の迎撃

夕食の席に漂っていた温もりは、まだ完全には消えていなかった。

一葉は部屋に戻り、ドアを閉め、ハンドバッグを書き机の上に置いた。

部屋は静かだった。

窓の外、松濤の風はかすかで、夜の闇にろ過されたように、室内に届く頃にはもうほとんど力を失っていた。

彼女は書き机の前に座り、午後に研究所から持ち帰った検査データの報告書を開いた。手元には澄乃が淹れた煎茶が置かれていたが、すでに半分ほど冷めていた。

卓上ランプの光は柔らかかった。彼女は目を伏せ、一ページずつめくりながら、時折ペンで数値の横に印をつけた。

夜の十一時を少し過ぎた頃、枕元のスマートフォンが震えた。

普通の通知音ではない。

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