第九十七章 後果

一葉は珠恵から視線を外し、来賓席の前方へと静かに目を向けた——雅斗がそこに座っており、その背筋は一分前より明らかに強張っていた。

「御園さん、梨花さんが浮島家に戻られた時期のことは、よくご存知のはずですよね。」

問い詰めているのではない。餌を垂らしているのだ。

雅斗の喉仏がわずかに動いた。

大広間中の視線が一斉にそちらへ向いた。その圧力を感じた雅斗は、思わず背筋を伸ばした。

——梨花が戻ってきてから、ようやく婚約が彼女のもとへ移ったのだ。

彼が梨花と知り合ってから、まだ数ヶ月しか経っていない。

珠恵が語った十五年間のピアノの歩み——その一日たりとも、彼は目にしていない。

彼は二...

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