第54章 収拾がつかない

ソファには、ジバンシィのブティックから届いたイブニングドレスが置かれていた。

これは寒が強く望んだことだった。

園遊会の当日の夜には例によってディナーパーティーが開かれ、その際にはダンスタイムもある予定だ。

彼はナナおばさんが綺麗なドレスを着て、佐藤光と一曲踊るところが見たいと言っていた。

佐藤光にはこの小さな子がどうしてこんな奇妙な考えを思いついたのか理解できなかった。

この小さな子は自分に継母を探す流れを作っているのか?

佐藤光の目には、寒は羽を生やした小さなキューピッドのように映っていた。

しかし、寒の要望に佐藤光は何でも応えてしまうのだ。彼はジバンシィに白いストラップ付...

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