第7章
秋の午後の日差しがブラインドの隙間からリビングに差し込み、小百合は畳の上で一心に積み木を組み立てている。
私はローテーブルの前に座り、目の前には育児雑誌らしき本が数冊広げられているが、その実、中には文化庁の面接準備資料が挟み込まれていた。
このところ淳一郎が急に仕事のスケジュールを変え、頻繁に帰宅しては私と娘の生活を「気遣う」ようになった。
玄関のドアが開く音を聞くたび、私は本物の勉強道具を素早く片付けなければならない。
「ただいま」
聞き慣れた声が響く。
私は素早く面接資料を育児雑誌の間に滑り込ませた。
「お帰りなさい」
私は立ち上がって出迎える。
「今日は...
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チャプター
1. 第1章
2. 第2章
3. 第3章
4. 第4章
5. 第5章
6. 第6章
7. 第7章
8. 番外 淳一郎
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