第119章 私は別に善人ではない

「どいて。ふざけないで」

千葉晴美が手を伸ばして押しのけようとすると、古宮桐也は口元だけでふっと笑った。眼差しはやわらかく、機嫌がかなりいいのが見て取れる。

今日はもう十分、上機嫌を満喫したらしい。これ以上千葉晴美をからかうのはやめておいた。度が過ぎれば面倒になる。

千葉晴美は視線を落とし、スマホを取り出して菅田麻衣の今の状況を調べた。おせっかいを焼く性分ではない。けれど、自分によくしてくれた相手のことは、ちゃんと覚えている。

自分が帰ったあと、山本未希たちが菅田麻衣をどんなふうに皮肉るのか――その光景が、ありありと頭に浮かんだ。

今日の同窓会で、あそこまで自分をかばってくれたのだ...

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