第63章 古宮社長は奥様を崇拝しているようだ

「そうよね、もし本当に役に立つなら、会社はとっくに重用してるわよ」

「古宮部長が出向いても取れなかった案件よ。彼女に何ができるっていうの」

同僚たちの煽りに、加藤雪は確信した。千葉晴美はただ自分を脅そうとしているだけなのだと。考えてみれば当然だ。何の実力もない彼女が、どうやって金田社長のサインをもらえるというのか。

この案件は、もう契約できなければ会社側も諦めるつもりだった。古宮玲奈がこんな命令を下したのは、誰の目にも明らかだ。千葉晴美を追い詰めるためだ。

この女が来たばかりで鋭さを隠そうともせず、まるで自分が会社の社長夫人であるかのような態度を取るからだ。

会社中の誰が彼女のそん...

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