第81章 彼女は決して人に頼らない

千葉晴美は、これまで誰かに頭を下げたことなんて一度もない。まして相手が男だなんて、なおさらだ。

古宮桐也は名目上こそ自分の夫だが、人の腹の内なんて見えるものじゃない。しかも相手は名門の生まれ――まともな人間か、それとも化け物か。誰に断言できる?

そもそも、あの時だって自分が甘かった。簡単に信じてしまったから、あんなことになった。

……嫌な疑いは、もう考えたくないだけ。

古宮桐也は、彼女の誇り高く平然とした顔を見て、喉の奥から低い笑いを漏らした。

「ツンとしてんなあ。自分で調べるとなったら面倒だろ。どこから手を付けりゃいいかも分かんねえくせに。素直に一回『桐也』って呼べ。俺が調べてや...

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