第97章 こっちおいで

卵形の輪郭は掌に収まってしまいそうなほど小さく、肌は白く、きめ細かく、やわらかそうだった。眉間にはひややかな疎遠さがにじみ、その顔立ちをいっそう高嶺の花めいた、情け容赦のないものに見せている。

その瞳は、黒目の奥まで澄みきっているくせに、目尻だけがわずかに吊り上がっていて、人を惑わせるような艶を帯びていた。まるで相容れない二つの印象が、ひとつの顔の中で不思議なほど美しく溶け合っている。まさに、息を呑むほどの絶色だった。

人込みの中に立っていても、まず間違いなく目を引く容姿だ。なのに、どうしてあんなにも見覚えがあるのか。

数秒後、永野英生は危うく悪態をつきかけた。

こいつ……こいつ、古...

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