第187章 疑い

「ご家族の方は外でお待ちください」

 無情にも扉は再び目の前で閉ざされた。点灯した『処置中』の文字が、西園寺琴音の網膜を灼くように刺す。

 陸奥司の顔色もまた、極限まで張り詰めていた。こめかみには青筋が浮かび、今にも爆発しそうな怒りを湛えている。

 彼は猛然と振り返ると、廊下の突き当たりで特別個室エリアの警備を担当している保安員を睨みつけた。

「さっき俺たちが離れた後、誰が病室に入った?」

 陸奥司の全身から発せられる凄まじい威圧感に気圧され、保安員は慌てて記録手帳をめくった。

「き、記録によりますと、陸奥様と西園寺様が離れられた後、入室されたのは二階堂瑠璃様と七海様だけです。十...

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