第191章 親子三人

一方、私立病院の個室にて。

西園寺琴音はベッドの傍らに腰を下ろし、真夏の穏やかな寝顔を見つめていた。その瞳には、かつてないほどの慈愛が満ちている。

細く柔らかな前髪を指先でそっと払うと、胸の奥にじんわりとした温もりが広がっていく。

彼女は時折、点滴の滴下速度を確認し、蒸しタオルで娘の小さな手を丁寧に拭ってやるのだった。

午後になり、目を覚ました真夏の顔色には、幾分か生気が戻っていた。

琴音は林檎の皮を剥き、食べやすい大きさに切り分けると、童話を聞かせながら根気よく口へと運んでやった。

静かな会話が交わされ、病室には得難い安らぎが満ちている。

「ママ、ここ新しい病院?」

真夏が...

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