第207章 人情味がない

「今のお前がまだそんな態度を決め込み、あの子がただ拗ねているだけだとか、お前への愛に胡座をかいて大切にしないのなら――断言する、お前は必ず後悔するぞ! その時になって土下座して頼み込んだところで、あの子は二度と振り向かないかもしれん!」

後悔……。

その言葉は一本の針のように、不意に陸奥司の心臓を突き刺した。

離婚を切り出した時の、西園寺琴音のあの凪いだ湖面のような瞳。

躊躇いもなく離婚届に署名した時の、あの決絶とした手つき。

そして昨夜、背中を向けたまま冷たく言い放った「あなたは床で寝て」という言葉……。

かつてない悲涼感が、瞬時に彼の呼吸を奪っていった。

もしかすると……自...

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