第211章 頑迷固陋

陸奥勝則の声には、何の抑揚もなかった。

「これを持ってここから去りなさい。どこか別の場所でやり直すんだ。二度とツカサや琴音の前に姿を現すな。陸奥家のことに口を出すな。さもなくば……」

勝則は言葉を濁したが、その未完の文末に含まれた警告の響きに、二階堂瑠璃は背筋が凍る思いがした。

手渡されたペラリと軽い小切手を見て、二階堂瑠璃の顔色が一変する。

金で私を追い払おうというの? まるで乞食に恵むかのように?

私が長年費やしてきた苦心も、捧げた青春も、彼らの目にはこれだけの価値しかないというのか。

様々な不満と屈辱がこみ上げ、彼女の最後の理性を押し流した。

瞬間、涙が溢れ出し、蒼白な頬...

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