第217章 彼女は一体何をした?

二日酔い特有の鈍痛が、こめかみを締め上げる。

鉛のように重い瞼をゆっくりと押し上げると、西園寺琴音の意識は泥沼から這い上がるようにして覚醒していった。

体を起こそうと身じろぎした瞬間、隣に得体の知れない気配を感じて動きが止まる。

恐る恐る、錆びついた機械のように首を回すと――。

視界に飛び込んできたのは、稲崎秀信の安らかな寝顔だった。

(……は?)

同じベッドで、寝ている……!?

琴音の脳内で何かが弾け飛び、思考が真っ白に染まる。

彼女は反射的に掛け布団をめくり、自分の体を確認した。

服は着ている。乱れた様子もない。

体に違和感も……ない。

隣の稲崎秀信に目をやれば、彼...

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