第10章彼女のターゲットはメイソンですか?

エミリーは息をのむほどの美貌の持ち主だった。言葉を失わせる類いの、美しさ。

それがマヤの第一印象だった。

しかも、エミリーの目の下に小さな傷跡があるというのに、それは美しさを損なうどころか、むしろ際立たせていた。あまりにも整いすぎた顔立ちに、鋭さがひとかけら足されている――そんな印象だ。

このエミリー……とんでもない厄介者だ!

マヤの胸に、得体の知れない危険の気配がふわりと立ちのぼる。

そして、メイソン。

マヤは恨みを込めてメイソンをにらみつけた。ここ数日、どれだけ時間と労力をつぎ込んで彼の気を引こうとしてきたことか。それなのにメイソンは――。

無視するだけならまだしも、時おり牙...

ログインして続きを読む