第143章彼女の「涙失禁」体質

アイビーは、イワンと外食に出たただの夕食が、事件にぶつかることになるなど思いもしなかった。

事件に遭遇するだけでも厄介なのに、あの忌々しいエミリーにまで鉢合わせるなんて、夢にも考えなかった。

アイビーが化粧室から出ると、レストランの入口でイワンとエミリーが並び、楽しげに話して笑い合っているのがすぐに目に入った。

「私の夫に近づかないで!」

嫉妬の炎が胸の奥で激しく燃え上がる。アイビーは駆け寄ると、二人の間へ乱暴に身体をねじ込んだ。

「恥知らず! 家には障害のある夫がいるくせに、面倒も見ずに、ここで私のを奪おうとしてるのね!」

怒鳴り声とともにアイビーは手を振り上げ、エミリーの頬を叩...

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