第155章:ジェームズを追いかけるよりもからかう方が楽しい

「セシリア、彼女は俺の妻だ」

ジェームズの低い声には、重たい警告が滲んでいた。

「知ってるわ。でも、彼女はあなたにはもったいないと思っただけ。私と一緒のほうが――」

「セシリア!」

だがセシリアは、その警告を意に介さなかった。代わりにエミリーへ二歩近づき、礼儀正しく手を差し出す。「セシリアよ。このエキスポの主催者。そして……あなたの恋のライバルでもあるわ」

セシリアの瞳に、きらりと光が走った。鋭い視線をまっすぐエミリーに据え、自分の宣言にどう反応するのか見極めようとしている。

ジェームズのベッドに潜り込もうとする女は大勢いたし、セシリアもそういう女を嫌というほど見てきた。だが、そう...

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