第17章珍しいエリーゼ

「エミリーって、本当に気が利くわね」

キアナは柔らかく笑んだ。「さあ、早く中へ入れてあげて」

フェイはうなずいて身を引き、エミリーは心地よさそうな微笑みを浮かべたまま、盆を手にダイニングルームへ入ってきた。

トーマス家の面々の視線が一斉にエミリーへ集まる。彼女が抱える盆には蓋がかぶせられ、中身は見えない。

――いったい、何を企んでいるのだろう。

互いに目を交わし合いながらも、それぞれが腹の内を隠していた。

エミリーは盆をテーブルの中央に置き、皆の顔を見回してから、わずかに口元をゆるめた。「皆さん、これ、私の得意料理です。どうぞ召し上がってください」

そう言うと、蓋を持ち上げた。

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