第206話明らかに嫉妬しているが気づいていない

病室の空気は凍りついたみたいに重く、息をするのさえ苦しいほどだった。

ジェームズはベッドに腰かけ、膝の上に開いた本を置いたまま、瞬きもせずにページを見つめている。

両手には軽い骨折があり、まともに動かせない。だから自分でページをめくることもできなかった。

ジュヌヴィエーヴは部屋の隅、離れた場所に座り、そっと目を上げて男を見た。

――なんて、かっこいいの。

冷たげで整った顔立ち、奥に沈んだ眼差し、高い鼻筋、形のいい唇……

田舎では、こんな美しい男を見たことがない。目にした瞬間、どうしようもなく心を奪われてしまった。

けれど、その氷みたいな男は、どうやら話すのが好きではないらしい。目...

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