第212章メイスンを誘拐せよ!

「トーマス様、これからどちらへ?」

マークは交差点で車を停めた。ほんの一瞬ためらってから振り返り、そう尋ねる。

ジェームズが本来、隣の市へ真っすぐ向かうつもりだったことはマークも覚えている。だが、親子鑑定のことを急に思い出した途端、進路を変えたのだ。

「……エミリーはどこだ?」

ジェームズは眉を寄せ、しばし考え込んでから、氷のような声で問い返した。

マークはぎくりとして、即座に答える。「わかりません」

病院を出たあと、エミリーは見知らぬ車に乗り込んだ。そしてジェームズは珍しく「追うな」と命じた。だから、誰もエミリーがどこへ行き、何をしたのか知らない。

それを聞くと、ジェームズの表...

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