第233章催眠術による共感

催眠共感――催眠術師と被験者が深い精神的結びつきに到達すると、共感状態へ入る。そのあいだ、催眠術師は被験者の感覚を共有し、その感情を追体験する。

心理士として長年やってきたライラは、催眠を極めていたにもかかわらず、催眠共感を用いた相手はただ一人しかいなかった。

その相手こそ、ジェームズの母――ヘイゼルだった。

あの頃、ヘイゼルは突然ライラのもとを訪れ、催眠療法を受けたいと言った。当時のライラはまだ研修医で、催眠療法を学び始めたばかりだった。

そのセッションの結果を、ライラはどうにもはっきり思い出せない。覚えているのは、終わった直後のヘイゼルの顔が血の気を失い、「ありえない」と何度も何度...

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