第234話トーマス一家のみんなを根底から憎む

エミリーは鈴の音で目を覚ました。

深紅の瞳を開けると、目の前にジェームズが立っていた。手には古びた青銅の鈴を握り、複雑な表情で彼女を見つめている。

「エミリー、さっき危うくあそこに閉じ込められるところだった。だからジェームズに鈴を使わせて起こしたの」

傍らからリラが説明した。

エミリーは黙ってうなずいた。

「エミリー……大丈夫?」

リラは赤くなった彼女の目を見て、心配そうに尋ねる。

エミリーはもう一度うなずいた。

だが、どう見ても大丈夫なはずがない。

エミリーとメイソンをつなぐ媒介であるリラには、共感の最中にエミリーが味わったものが、同じように伝わってくる。だからこそ、胸の痛...

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