第239話彼氏試用期間

都会に引っ越してからというもの、アンネリーゼはまともに眠れずにいた。

エメラルド・シティの夜は明るすぎて、うるさすぎる――かつて暮らしていた大草原の、あの静けさとは似ても似つかない。

何度も何度も寝返りを打った末、アンネリーゼはついに眠るのを諦め、起き上がって睡眠薬を飲むことにした。

そういえば、トーラは不眠のことを知った翌日、早々にこの薬をくれたのだった。

だが、呪医としての矜持が邪魔をして、アンネリーゼは意地になって飲まなかった。

数夜にわたり不眠に責め立てられ、彼女はついに現代医学に屈するほかなかった。

まずは一錠だけ、効き目を見てやる。明日になったら薬草の安眠処方を調べよう...

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