第252話天国で行われた試合

「切り落として」

エミリーは氷のような声で言った。

「無理だ! そんなはずがない! 下のルーレットは俺が仕込んだんだぞ、どうして負けるんだ!」

フィリップは我を忘れて怒鳴り散らした。

エミリーは口角をわずかに引き、ゆっくりと立ち上がると、フィリップへ向かって歩き出した。

「賭けは賭けよ。根性がないなら、代わりに私がやってあげる」

「近寄るな! まだお前の息子は俺が預かってる。触ったら二度と会わせないぞ!」

「フィリップ、この期に及んでまだ私の息子で脅すのね。指一本じゃ、私の気は済まなさそう」

エミリーの澄んだ瞳に冷たい光が走り、彼女はフィリップへ手を伸ばした。

「誰か! 助け...

ログインして続きを読む