第277章 5年間盗まれた身分証明書は今すぐ返却すべき

「こいつの言ってることは全部嘘よ、私を信じて!」

エイヴァは怒りに声を尖らせ、パトリックを激しく指さした。

エイヴァの憤怒と激情とは対照的に、パトリックは終始落ち着き払っていて、彼女の糾弾など意に介さない様子だった。

そのあまりに鮮やかな対比が、見守る者たちを混乱させた。

もしエイヴァの言うことが真実なら、この男が展示している「伝説の宝飾デザイナーの作品」は偽物ということになる。だが、もしこの男の言葉が虚偽なら、公衆の面前で暴かれた瞬間に狼狽して当然ではないのか。

それなのにパトリックは最初から最後まで平然としており、唇に浮かべた微笑も一度として消えなかった。

逆に、パトリックの展...

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