第285章贈り物をするということは、その人の好みに応えることを意味します

「誰もお菓子なんてくれなかったのに、どうして泣かなきゃいけないの?」

ブライアの言葉に、オーラは息をのんだ。次の瞬間、胸の奥に冷たい悲しみが押し寄せてくる。

そうだ。家族の前で甘えて、思いきり泣いてみたいと思わない子どもがいるだろうか。

ヘイズ家はブライアに新しい人生を与え、飢えや寒さから守ってくれた。だが、家族から注がれるはずの愛までは与えられない。

たしかに、養父母であるアイザックとカティアはブライアを気にかけてはいた。

けれど一人は温厚すぎ、もう一人はヘイズ家の中で発言権がない。どちらもブライアを十分に庇うことはできなかった。

そしてヘイズ家当主のリアムは、妻を亡くしてからと...

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