第32話私の顔を台無しにした人

エミリーはジェームズを物珍しげに見た。「何が怖いの?」

ジェームズは鼻で笑った。

怖い? 何が怖いっていうんだ。

ただ……エミリーの前で弱みを見せたくなかった。自分の考えを見透かされたくなかった。

怖いのは……自制が利かなくなって、彼女に落ちてしまうこと。

だからこそ、必死にエミリーを遠ざけようとしていた。

また足音が近づいてくる。

エミリーが手を伸ばし、ジェームズの顎をつかんだ。澄んだ瞳が、霧のかかった彼の目をじっと覗き込む。

しばらくして、エミリーはかすかに笑った。

「私に恋しそうで怖いんでしょう」エミリーは自信たっぷりに言った。

「自惚れるな」ジェームズは吐き捨てた。...

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