第69話彼女を身代わりとして扱うなんて彼は頭がおかしいに違いない!

エミリーは周囲を用心深く見回し、誰もいないことを確かめてから膝をつき、両手で土を掘りはじめた。

土は柔らかく、エミリーの指は抵抗なく潜っていく。

しばらく掘り進めたが、何も出てこなかった。

土のほぐれ具合と、さきほどザンシーが立っていた位置からして、何かがそこに埋められていたのは間違いない。だがそれは、すでにザンシーの手で掘り返され、持ち去られてしまったのだろう。

少し考えたのち、エミリーは穴を丁寧に埋め戻し、まるで誰も触れていないかのように整えると、音も立てずにその場を離れた。

エミリーがジェームズの部屋の隣にある客室へ戻ると、ジャスパーはベッドに大の字になっており、待ちくたびれて...

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