第86話あなたが生きている限り、あなたは私の小さな運です

ロウ邸

「カート、この服どう? 似合ってる?」

ハーマイオニーはカートの前でくるりと回った。留学中の二年前に買った淡いレモン色のワンピースが、彼女の弾むような気持ちをそのまま光にして放っている。エミリーはきっと、これをまだ見たことがないはずだ。

カートは変わったハーマイオニーの姿に、思わず笑ってしまった。「すごくいいよ。知らなかったら、どこかのイケメンとデートの支度でもしてるのかと思うくらい」

「イケメン相手なら、私がここまで頑張らなくたっていいもん」

ハーマイオニーはカートに向かって変な顔をした。「でもエミリーは別。あの子は特別なの」

「もちろん」

エミリーのこととなると、二人...

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