第98章子供を守ることは母親の本能

「助けて! 子どもが水に落ちた!」

悲鳴のような叫びは、ジャスパーが遊んでいたあたりから聞こえてきた。

エミリーの心臓がどくんと跳ね、嫌な予感が全身を冷たい波のように覆った。

「私、見てくる」

エミリーはくるりと身を翻し、駆け出そうとする。

「俺も行く」

ジェームズが彼女の手首をつかんだ。真剣な顔だった。

エミリーは振り返り、うなずいた。

湖畔に着いたときには、すでに人だかりができていた。

場所は、ジャスパーがいた遊具の近くだ。見物人のほとんどは子ども連れの母親で、怖くて飛び込めないのか、岸辺に立ち尽くして不安げに水面を見つめていた。

すでに誰かが救急へ通報していた。

エ...

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