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フェンリル・ダネシュティ視点

その瞬間、胸が引き裂かれるような、身を苛むほどの激痛が走った。

息が詰まり、力が抜けていく。俺の心を捉えたのが誰なのか――俺の最大の失敗を絶えず思い出させる存在を悟ったからだ。

カタリナ。

やめろ!やめろ!やめろ!

くそっ!

彼女にこんなことはできない。二度とだ。それは裏切りだ――彼女に対する、彼女が俺にとって象徴していたものに対する、そして彼女の記憶に対する裏切りだった。

俺はサヴァンナを放し、完全に力を失って数歩よろめき後ずさった。こめかみを揉み、頭から彼女の面影を無理やり追い出そうと試みた。

俺は卑劣だ。心底、唾棄すべき存在だ。

サヴァンナが...

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