37

フェンリル・ダネシュティ視点

そして今、俺はこの厄介事に全員を巻きこまなければならなくなった。

ジャックスにも知らせるつもりだ。彼の縄張りへ出向き、何が起きているかを伝える。そして、彼にも警戒を促し、防御を固めさせるのだ。ジャックスは自分の群れの安全に関しては現実主義者だ。

「さて、どうする?」顎を掻きながら、彼が尋ねた。

「晩餐会へ行って、連中に真実を話す」

「真実、だと?」

「サバンナには彼女を追っているクソみたいな元婚約者がいること。そして、彼女が俺の伴侶である以上、そいつに引き渡すことなどできない理由を、奴らも理解するだろう」

彼は腕を組み、金髪の眉をひそめた。

「伴侶を引き渡したく...

ログインして続きを読む