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サヴァンナ・ボーエン視点

フェンリルは、ようやく我が家の玄関をくぐった時、柄にもなく静まり返っていた。二人の間に重苦しい沈黙が垂れ込め、言葉があるべき場所に、まるで触れられそうなほどの空白が広がっていた。

彼は一言も発さず、唇を真一文字に引き結んでいた。まるで、話すという行為が、残されたわずかな力さえも奪い去ってしまうかのようだった。いつもはあれほど威圧的な彼の存在感が薄れ、それが疲労のせいなのか、それとももっと深い――言葉にされない何か――が彼を黙らせているのか、私には分からなかった。

私は彼の横顔を盗み見ながら、その眼差しにいつも宿っているはずの炎の揺らめきを探したが、見つかったのは影だ...

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