96

私は首を横に振った。目からは涙が溢れ、唇からは嗚咽が漏れる。

彼の頬に指先を這わせ、彼に触れる。彼を救う方法を見つけようと、必死に、懇願するように。

矢の先端を掴むと、銀に触れた手のひらの皮膚がジュッと焼けるのを感じた。私はそれを引き抜いた。彼の皮膚から引き剥がすように。彼は息を呑み、唇からはさらに血が滲んだ。私は止めなかった、止められなかった。彼を生き延びさせなければ。私が彼を救わなければ。

ハンターが彼の方に身を乗り出し、狂気じみた笑みを浮かべた。

「最後の言葉はなんだ?」と彼は尋ねた。

アントンは血を咳き込んだ。

私は憎しみに駆られ、友を守ろうと、跳ね起きてハンターに飛びかかった。彼の方...

ログインして続きを読む