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フェンリル・ダネシュティ視点

俺は軽蔑と反感を込めてそのオメガを見つめた。彼女は長年の仲間だった。良き仲間だった。善い夜も悪い夜も共に過ごし、寄りかかることのできる肩であり、側に置いておきたい、常に敬意を払うべき相手だった。

だが、すべてが終わった今、彼女をそのようには見られなかった。彼女は裏切り者で、嘘つきで、他人を操る者だ。かつて抱いていたどんな好意も、綺麗さっぱり消え失せていた。

もはや彼女は俺にとって何の意味も持たない。そして彼女の死は、さらにどうでもいいことだった。

「お前の人生が楽しいものだったことを願うよ。もうすぐ終わるからな」俺はそう告げ、彼女に向かって一歩踏み出した。...