第108章

カサック視点

ライラの香りは他の者たちとは違っていた。革の匂いの下に、バニラとムスクの気配が混じっている。

彼女は俺を恐れていなかった。その気配を感じたことは一度もない。初めて戦場で出会ったときでさえそうだ。あのとき彼女は鬼神のごとく戦い、俺の戦士を三人殺した後、この俺にだけは従ったのだ。

いや、今彼女から香るのは欲望だ。それに混じって、いつも俺を戸惑わせる、あの馴染み深い――自分には価値がないという、卑下の念が漂っている。

俺は手を伸ばし、片方の乳房を鷲掴みにした。その重みを掌で感じる。

親指と人差し指でつまむと、彼女が喘ぎを抑えようと下唇を噛むのが見えた。

部屋の冷たい空気の中で、彼...

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