チャプター 17

フレイヤ視点

足元の地面が崩れた。

さっきまで銀の輪を持つ鹿に飛びかかっていたかと思えば、次の瞬間には落下していた。重力に引かれ、胃がひっくり返るような感覚に襲われる。爪を立てて何かに掴まろうともがいたが、空を切るばかりだった。私の中でエンバーがパニックになって遠吠えを上げた。

衝撃で肺から空気が叩き出された。何本もの銀の杭が肉体を貫き、全身に痛みが爆ぜた――一本は脇腹に、もう一本は後ろ足に。灼熱感が即座に襲い、それはまるで血管に液体の炎を注入されるような、耐え難い苦痛だった。喉から迸る苦悶の遠吠えを抑えることはできなかった。

これは事故などではない。落とし穴の暗闇に目が慣れてくると、底...

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