チャプター 45

フレイヤ視点

背中が冷たい崖の壁に押し付けられ、ハンターの熱い息が顔にかかるほど近くまで迫ってくる。肩にはまだ麻酔弾が突き刺さったままで、その効き目はまるで血管を流れる氷のように全身へと広がっていた。薬が変身能力を抑え込んでいるせいで、内なる狼が意識の奥底へと沈み、退いていくのが感じられた。

ハンターが囁く。その声に、肌が粟立った。

「人狼の娘がどんな感触か、たっぷりと味わわせてもらおうか……」

彼の手がコートに伸び、ゆっくりとボタンを外す。すると、内ポケットからぶら下がっている、殺された同胞たちの牙や爪があらわになった。その光景に胃がひっくり返りそうになる――だがその時、ハッとした。

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