チャプター 80

フレイヤ視点

「待って」

息を切らし、震える声で私は言った。彼の胸に手のひらを押し当てる。彼の肌の熱が手のひらを焼くようだったけれど、このまま続けさせるわけにはいかなかった。彼が知らないままでは。

彼は顔を上げた。その瞳には困惑と心配の色が浮かんでいる。「どうした? 痛かったか?」

深呼吸する。心臓が胸から飛び出しそうだった。もう隠し通せないことはわかっていた。心の中で数え切れないほど練習した言葉を、今、口に出さなければ。まさかこんな、半裸で無防備な瞬間に言うことになるなんて想像もしていなかったけれど。

「あなたに言わなきゃいけないことがあるの」私はささやくような声で言った。

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