第18章

浜原恵也はトレンチコートの内ポケットから、茶色いクラフト紙の書類袋を取り出した。

「彼女のことは、俺にとっては天より重い。人の大切な品を壊したうえ、金額もデカい。どう弁償するつもりだ?」

病室のベッドの上で、涼宮佳奈が金切り声を上げる。

「何が金額がデカいよ! ただのボロい木の腕輪じゃん! いくらするっていうのよ!」

浜原恵也は彼女に目もくれない。袋の紐をほどき、鑑定書を一枚抜くと――森田浩介の足元へ、無造作に放り投げた。

「その数珠ブレスは、伽羅沈香。国家級の彫刻師・鈴川お爺さんが、引退前に自分の手で彫った一点ものだ」

感情の起伏ひとつない声で、事実だけを並べる。

「3年前、...

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