第22章

水原茜がベランダで育てていた多肉植物は、涼宮佳奈に「見てるだけでイライラする」と言われ、鉢ごと土ごとゴミ箱に放り込まれた。

邸で五年働いていた家政婦の羽川まで、料理が口に合わないというだけで、適当な理由をつけて辞めさせられてしまった。

新しく入った家政婦は二十代そこそこの若い娘で、手際がよく、何より空気を読むのがうまい。

涼宮佳奈は辛いものが好きだ。

そのせいで邸の食卓には、朝も昼も夜も、真っ赤な料理ばかりが並ぶようになった。

森田浩介は辛いものに慣れていない。ここ三年で、その舌は水原茜にすっかり薄味へと慣らされていた。

初日、彼は眉をひそめただけで何も言わなかった。

二日目、...

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