第25章

帰り道、車内の空気は息が詰まるほど重かった。

森田浩介はハンドルを握りしめ、手の甲には青筋が浮いている。頭の中はぐちゃぐちゃだった。

水原茜と浜原恵也なんて、取るに足らない存在だと思い込んでいた。だが蓋を開けてみれば――道化だったのは自分のほうだ。

助手席の涼宮佳奈は、浩介以上に顔色が悪い。手に入れたはずの獲物は逃げ、しかも衆目の前で面目を潰された。

「浩介……」

ついに堪えきれず、泣き声まじりに呼ぶ。

「ねえ、あの浜原恵也って人……どうして浜原の社長なの? 何かの間違いじゃないの? 浜原の家って、もうとっくに潰れたって――」

「俺に聞くな。俺が誰に聞くんだよ」

浩介は苛立ち...

ログインして続きを読む