第44章

出勤三日目、水原茜は車椅子に座り、浜原恵也がその背後で、焦らすでもなく一定の速さで車椅子を押していた。

すらりとした長身に品のある佇まい。水原茜と並ぶと、絵になる「美男美女」だ。廊下を進むたび、視線があちこちから刺さってくる。

エレベーターで最上階へ上がると、鈴川薫子はすでに持ち場にいた。水原茜の姿を見つけるなり、包み紙に丁寧にくるまれた朝食を両手で差し出してくる。

「水原様、私が作ったサンドイッチです」

水原茜は呆れたような、けれどどこか可笑しそうな目で鈴川薫子を見る。

「そんなに気にしなくていいって。これで埋め合わせしようとしてるんでしょ? 昨日も言ったじゃない。あなたのせいじ...

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