第45章

浜原恵也は反手で水原茜の手を握り返した。涼宮佳奈が茜を傷つけようとしたと耳に入った瞬間から、顔色はみるみる悪くなっていた。

「……今、やられたのか?」

水原茜は、浜原恵也のこんな冷え切った表情を見たことがない。呆けたように一瞬固まり、それから小さく頷いた。

そばで待機していた鈴川薫子が、ここぞとばかりに言葉を継ぐ。

「水原様に『涼宮さんにコーヒーを』と頼まれて、私、席を外しました。戻ってきたら……涼宮さんが水原様の目の前に立っていて、足首を蹴ろうとしているように見えました」

水原茜ひとりの訴えなら、涼宮佳奈は「濡れ衣だ」と言い張れたかもしれない。

だが証人がもうひとり増えた。涼宮...

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