第47章

掛け時計の短針が12時を指す。浜原恵也はきっかりの時間にドアを押し開け、社長室へ大股で入ってきた。手に提げていた弁当袋をデスクの上へ、ことんと置く。

水原茜が自分で車椅子を回して寄ろうとした、その前に――恵也はもう彼女のところへ来ていた。まるで子どもを世話するみたいに、細かいところまで目を配ってくる。

「恵也さん、次からは運転手に持たせればいいのに。わざわざ来なくても……」

水原茜は箸を受け取りながら言った。

浜原は南区、ノアは北区。往復だけで1時間は潰れる。仕事に響くのは目に見えていた。

浜原恵也の手が、わずかに止まる。探るように眉を寄せた。

「……誰か、何か言った?」

水原...

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