第51章

就職晩餐会が終わると、水原茜は手元の案件を最速で片づけた。

彼女には、もっと重要な用がある。

しかも――自分の手でやるしかない。

鈴川薫子と清水青子を部屋に呼び入れ、水原茜は二人を一度だけ見回してから口を開いた。

「鈴川薫子。今日は大事なお客さまが来る。下で迎えてきて。1階ロビーにいる、黒いスーツの集団」

鈴川薫子は理由も聞かず、踵を返して出ていった。

水原茜は立ち上がり、服の皺をぱん、と軽く払う。デスクを回り込み、先に歩き出した。

「青子。あなたも一緒に来て」

ほどなく鈴川薫子が人を連れて戻り、水原茜と清水青子に合流した。

全部で六人。全員スーツ姿で、いかにも手練れの雰囲...

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