第53章

技術部は十五階にあった。

経理部のほうが部署じゅうを揺らすような大騒ぎになっていたのに比べ、こちらは驚くほど静かだ。

大部屋ではエンジニアたちがそれぞれの持ち場で黙々と作業している。何が起きているのか、まだ誰も知らないらしい。

鈴川薫子が先頭を歩き、勢いよく技術部長室のドアを押し開けた。

――中は、まるで別世界だった。

水原茜がまず視界に捉えたのは、ソファに腰掛けている浜原恵也だ。

目の前にはノートパソコンが二台。脇には書類の束が積み上がっていて、すでに「収穫」は十分という顔をしている。

室内には水原茜の知らない顔が四人。男女混じりで、全員スーツ姿。

よく見ると首から下げてい...

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